暖かいお湯がいつでも使える給湯器は便利で毎日の生活に欠かせないものです。
しかしある日突然お湯が出なくなったら?「お風呂にはいれない!」「給湯器が壊れた!」と慌てて業者に連絡してしまいがちです。
でもお湯が出ないのは本当に給湯器が原因でしょうか?
お湯を出そうと蛇口を開いても、
「お湯が出ないが水は出る」
「そもそもお湯も水も出ない」
状況によっては、お湯が出ない原因は給湯器以外にあるかもしれません。
この記事は、「お湯が出ない」場合のいろいろな原因と解決法についてまとめています。
中にはご自分で簡単に対処し解決できる原因もあるので、業者さんに電話をする前に、まずはチェックしてみてください。
お湯が出ないが水は出る場合のチェックポイント
お湯が出ないが水は出る場合、給湯器の故障や蛇口の故障が疑われます。このセクションでは、給湯器のチェックポイントを詳しく解説し、トラブルの原因を特定する方法をご紹介します。
お湯の蛇口をひねった時、「水は出るが暖かくならない(お湯にならない)」場合は、
- 蛇口(水栓)が故障している。
- 給湯器が故障している、不具合がある。
などの原因が考えられます。蛇口と給湯器のどちらが原因なのかを判別しないといざ修理を依頼した時に、
「給湯器メーカーなので蛇口は修理できません。」
「水道屋なので給湯器は修理できません。」
ということになりかねません。
修理依頼の二度手間にならないよう、お湯が出ない原因が給湯器にあるのか、蛇口にあるのかをチェックしていきましょう。
蛇口が故障している
全ての蛇口でお湯が出るかどうかをチェックしてみて、他の蛇口はお湯が出るのに、特定の蛇口だけが「お湯が出ない(お湯にならない)」のであれば、原因は給湯器ではなく、その特定の蛇口が故障しているということになります。
このトラブルは温度調節機能が付いた「サーモスタット混合栓」や「シングルレバー混合栓」に多く起こります。
「サーモスタット混合栓」は下の画像のような、温度調節のダイヤルがついているタイプの蛇口です。
「シングルレバー混合栓」は一つのハンドルで水とお湯の量を調節するタイプの蛇口になります。
下の画像のように水とお湯を別々に開閉する「2バルブ混合栓」では、給湯器が正常なのにお湯が出ないという現象は基本的には起こりません。
お湯が出ない(お湯にならない)原因が、サーモスタット混合栓の場合は「温度調節部分の部品交換」、シングルレバー混合栓は「カートリッジを交換」することで修理することができます。
ただし、ある程度年数が経っているものは交換部品がない場合や、経年劣化により部品交換のための分解が困難な場合も多く、その時は混合栓自体を交換することになります。
給湯器が故障している、不具合がある
全ての蛇口でお湯が出ない場合は、お湯の供給源である給湯器の故障が疑われます。しかし、慌てて業者に連絡する前に以下のことをまずチェックしましょう
電源スイッチは入っているか?コンセントは入っているか?
意外に多い「うっかりミス」で、給湯器の電源スイッチが入っていなかったり、給湯器のコンセントが抜けていたりする場合があります。
また、以前にリモコンレスの給湯器が付いていた家には、リモコンスイッチのほかに、給湯器のコンセントに電気を供給する「片切りスイッチ」が付いている場合がありますので、電源が入らない場合は、チェックしてみましょう。
給湯温度が低すぎないか?
蛇口の温度調節を上げても熱いお湯にならない、ぬるいという場合には、給湯器の温度設定が極端に低い場合があります。
その場合には、リモコンの温度設定を上げてみましょう。
燃焼しない場合、燃料はあるか?
給湯器が燃焼せず、お湯が出ない場合には給湯器に燃料があるのかをチェックしましょう。
石油給湯機なら灯油が入っているか?ガス給湯器なら、ガスの元栓が閉まっていないか?ガスメーターにエラーが出ていないかをチェックしましょう。
エコキュートや電気温水器の場合は、ブレーカーが落ちていないかを確認しましょう。
エラー表示は出ていないか?
給湯器のリモコンの表示部分にエラーが出ていないかをチェックしましょう。給湯器の説明書には「よく出るエラー」について内容と対処法が載っていますので参照すると便利です。
エラーの内容によっては、リセットのみで解消されるものありますので、試してみましょう。
以上のことをチェックした上で、それでも給湯器が動かない、お湯が出ない場合は、給湯器の故障かもしれません。
そうなるといよいよ専門業者に修理を依頼することになります。
修理を依頼する際には、チェックした内容や、エラー番号、具体的な症状をあらかじめ伝えれば、スムーズに修理をしてもらえますので、可能な限り詳しく状況を伝えましょう。
お湯も水も出ない?給湯器のトラブルシューティング
お湯も水も出ない場合、給湯器や蛇口以外の原因も考えられます。ここでは、給湯器だけでなく、配管や電源など他の要因についてもチェックするポイントを紹介します。
お湯側の蛇口をひねっても「お湯も水も何も出ない」「水量が極端に少ない」という場合は、
- 配管が凍結している
- 給湯器に給水されていない・給水口フィルターの詰まり
- 配管が詰まっている
- アングル止水栓が閉まっている(台所・洗面所の場合)
- 蛇口のストレーナーが詰まっている
などの原因が考えられます。順番にチェックしてみましょう。
・凍結している
昨日まで普通にお湯が出ていたのに、冬の寒い朝に「お湯も水も出なくなった」という場合には、配管の凍結が考えられます。
まずは家中の蛇口をチェックしてみましょう。お湯側の蛇口だけでなく、水側の蛇口も全く水が出ないようなら凍結の可能性が高いです。
また、家の壁の外に露出している特定の配管だけが凍結して出なかったり、給湯器周りの配管の保温が不十分でそこが凍結していたということもあります。
凍結については、別記事で対処法を詳しくご紹介していますので、そちらを参照ください。
・給湯器に給水されていない
当然のことながら、給湯器に給水されていないとお湯が出ません。給湯器の給水栓は開いていますか?水道メーターのバルブは開いていますか?チェックしましょう。水道工事などで断水しているのに気づかなかったというケースもあります。
その場合には、給湯器自体に問題はないので、給水栓を開く、水道メーターのバルブを開く、断水が終わるのを待てば、お湯が出始めるはずです。
また、給湯器の給水口や、減圧弁に内蔵されているフィルターが詰まって、給水が止まってしまうというケースもあります。
井戸水を使用しているところで多く、その際にはフィルターを掃除すればお湯が出るようになります。
頻繁に給水口のフィルターが詰まる場合には、井戸水用ポンプから砂やゴミが上がってきていることが考えられますので、ポンプに砂こし器を取り付ける対策が必要になる場合がありますので、専門業者に相談しましょう。
・配管が詰まっている。
レアなケースですが、古いお家で配管が鉄製のものだったりすると、サビなどで配管内部が詰まってしまいお湯が出なくなることがあります。
「使い始めに、赤水が出るようになった。」
「水量が徐々に細くなってきた。」
などの症状が出始めたら、配管が劣化しているサインだと思ってください。
詰まりがひどくなった場合には配管を引き直すなどの工事が必要になってきますので、業者に相談する必要が出てきます。
・アングル止水栓が閉まっている
台所のシンクや洗面台の蛇口には、水量調整用の止水栓(アングル止水栓)があって、ここが閉まっていたり十分に開いていないなどで、お湯が出なかったり出が悪かったりする場合があります。
通常はシンクの下や、洗面台のキャビネット内に設置されているので、メンテナンス時に開け忘れたり、物を収納した際に当たってはずみで閉まってしまうことがあります。
また、長期間使用していない蛇口の場合、アングル止水栓の中のパッキン(コマ)が固着して、開けてもお湯が出ないことがあります。
その際には、アングル止水栓を分解し、パッキンを交換すれば治りますが、硬くなったネジを無理に回そうとして元の配管を折ってしまうこともありますので、自信がない方は、専門業者依頼したほうがいいと思います。
・蛇口のストレーナーが詰まっている
脚付きの混合栓の場合、脚部分にゴミをとるストレーナーが内蔵されていて、そこにサビやゴミが詰まってお湯が出ないことがあります。
その際には水道の元栓を閉め、ストレーナーを分解・掃除することでお湯が出るようになります。
また、吐水口(スパウト)の先端に巣トレーナーがついている場合は、ゴミが詰まってお湯が出ないことがあり、こちらも掃除するだけでお湯が出るようになる場合があります。
スパウトのストレーナーは蛇口を閉めた状態で簡単に分解・清掃することができますので、チェックしてみてください。
混合栓の脚部分の分解も比較的簡単に行えますが、ある使用年数が経っていると、ネジが固くなって分解が難しい場合もあります。
自信がない方は、こちらも専門業者の方に任せたほうがいいかもしれません。
給湯器トラブルのまとめ:原因と解決策
給湯器のトラブルは多岐にわたりますが、適切なチェックと対処で解決できることが多いです。このセクションでは、一般的なトラブルとその解決策をまとめています。
今回は、給湯器の「お湯が出ないが水は出る」「お湯も水も出ない」など、お湯が出ない場合の原因と解決法についてまとめてみました。
お湯が出ないというトラブルは、必ずしも給湯器が原因とは限らず、いろいろなケースがあることがお分かりいただけたのではないかと思います。
中には知っていれば自分で簡単に対処して解決できるトラブルもあります。
それなのに、慌てて業者さんを呼んでしまったために、出張費などの余計な出費になってしまった・・・そんなことは避けたいですね。
まずは落ち着いて「お湯が出ない」原因が何なのかを探りましょう。
本日は当ブログの記事をお読みいただき、ありがとうございました。
参考になりましたでしょうか?
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