石油給湯器の交換はDIYでできるのでしょうか?ネットを見てみると「自分で石油給湯器を交換しました」というページや動画がいろいろと紹介されています。
そういうのを見ると意外と簡単そうで、「石油給湯器をDIYで交換して費用を安く抑えよう」と思う方も多いんじゃないでしょうか?
そういう方のために、この記事では
・石油給湯器を自分でDIYで交換するのは簡単なのか?
・資格はいらないの?
・DIYで石油給湯器を交換するにあたっての注意点は?
などについてまとめてみました。
石油給湯器の交換に資格は必要?
ガス配管が必要なガス給湯器と違って、一般的な家庭で使われている石油給湯器の交換には、とくに資格は必要ありません。
ただし、石油給湯器は灯油を燃料に燃焼する機械ですので、設置には「消防法」の規定などの安全に配慮する必要があります。
万が一、火事になった場合には責任問題となります、そのため、石油給湯器の設置には、財団法人「日本石油燃焼機器保守協会」が定める「石油機器技術管理士」の資格を有していることが求められます。
石油給湯器をDIYで交換、機種の選び方は?
石油給湯器をDIYで交換する場合、給湯器本体を自分で購入する必要があります。カタログを見ると、石油給湯器には様々な種類があるので、選ぶ際には注意が必要です。
貯湯式か直圧式か?
石油給湯器には、内部にお湯を貯めるタンクを内蔵している「貯湯式」と水道の圧力を給湯器に直結する「直圧式」があります。
貯湯式、直圧式それぞれメリット・デメリットがあるのですが、基本的には今使っている給湯器で不便が無ければ、同じタイプのものを選択するのが基本になります。
貯湯式には貯湯タンクを保護するための「減圧弁」「安全弁」が必要になりますが、減圧弁や安全弁を別途購入すると案外高価なので、最初から給湯器内部に減圧弁と安全弁が組み込まれている「内蔵減圧タイプ」を選ぶと便利です。
給湯出力で選ぶ
給湯出力は、簡単に言うと「どれだけのお湯を供給できるのか?」というもので「KW(Kcal/h)」で表記されています。今使っている給湯器のフロントパネルにも表示されていると思いますので、確認してください。
基本的には、今までお湯を使っていて不便がないのであれば、同じ給湯出力の給湯器を選べば問題ないでしょう。
給湯器の機能で選ぶ
石油給湯器には、蛇口にお湯を供給するのみの「給湯専用」、浴槽のお湯を沸かし直すことができる「追い炊きタイプ」、浴槽への自動湯はりや保温ができる「フルオートタイプ」など、機能によって種類があります。
石油給湯器をDIYで交換する場合は、今ついている給湯器と同じタイプのものを選ぶのが無難です。
給湯出力は家族構成などで変更しても構いませんが、「貯湯式」「直圧式」を変更したり、機能を追加するのはDIYではおススメしません。
お湯の勢いが欲しいからと貯湯式から直圧式に変更すると、水圧が上がって既存の古い配管が破裂する恐れがあります。
また、給湯専用から追い炊き付きやフルオートに変更する場合には、追い炊き配管の新設や、風呂リモコンの新設が必要となり、DIYのハードルが格段に上がってしまいます。
石油給湯器の交換手順、DIYでやるときの注意点は?
給湯器を購入すると、「取扱説明書」と一緒に「工事説明書」が同梱されています。「工事説明書」には、基本的な工事のやり方が詳しく記載されていますので、DIYの手助けとなります。プラモデルの組み立て説明書みたいなものですよね。
作業を始める前に、一通り目を通しておき、工事説明書に沿って作業を進めることをおススメします。
1.既存の石油給湯器の取り外し
まず最初にいままでついていた石油給湯器を取り外します。取り外すのは「給水配管」「給湯配管」「リモコン線」「送油管」「アース線」などがあります。
DIYで給湯器を交換する場合は、極力既存の配管を残して設置したほうがいいと思います。フレキ管で接続されているようなら、ナット部分で外せば新しい給湯器が簡単に取り付けられます。
その他の配管の場合は、極力ネジになっている部分で取り外しましょう。そうすれば次に接続する時に比較的簡単に配管することができます。
但し、これらの話は「既存の配管が腐食もなくきれいな状態である」というのが前提になります。
古い配管の場合、サビや腐食ですこし力を加えただけで簡単に折れてしまうものもあります。
もし、既存の配管に激しい腐食などが見られ、ご自分で修理が難しいと判断されるようなら、無理に作業を進めず、専門業者に相談しましょう。
2.新しい石油給湯器の設置
同じ場所に新しい石油給湯器を設置します。その際、水平器を使って給湯器が水平に設置されるように調整します。給湯器が傾いていると、地震を感知する感震器が誤作動して給湯器が動かない場合があります。
給湯器には底面に高さを調整するボルトが付いているのでボルトの出し入れで水平を調整することができます。
3.給水配管・給湯配管
給水・給湯の配管のやり方はいろいろありますが、ホームセンターで手に入りやすい「フレキ管」や「塩ビ管」を使うのがいいと思います。
「フレキ管」だと、管を自由に折り曲げることができ、ナットとパッキンで簡単に接続することができます。
塩ビ管は専用のカッター(ノコギリでも可)を使えば長さの加工が簡単にでき、接手を接着剤で簡単に接続することができます。
塩ビ管には種類があるので、給水配管には水用の「VP」か「HIVP」、給湯配管には耐熱の「HT」を使います。接着剤もそれぞれ専用のものがあるので使い分けてください。
4.灯油タンクの設置、送油管の接続
灯油タンクと給湯器の接続には、銅製の送油管を使用します。送油管は給湯器に付属されている場合が多いですが、付いていない場合もありますので、給湯器を購入する際に確認しておきましょう。
送油管は接続部分がラッパ状に「フレア加工」されていますので、切らずにそのまま使用します。切ってしまうとフレア加工する専用の工具が必要になります。
切ることはできないので、送油管の長さはこんな風に送油管の「巻き方」で調整してください。
送油管を接続したら、「エア抜き」をします。「エア抜き」をしないと灯油タンクに灯油を入れても灯油が給湯器までいかないので燃焼しません。
5.リモコンの交換
リモコンの交換は古いリモコンを外して新しいリモコンを取り付けるだけですが、リモコン線は断線していなければ既存のものをそのまま使用して差し支えありません。
現在のリモコンは極性の無い2線式が主流ですが、古いリモコンだと6線や8線などのリモコン線を使っていることがあります。
その場合、2線だけを使えばいいのですが、1本の線が細いようなら、上の画像のように線を2本ずつ束ねて使うといいでしょう。
6.通水テスト・配管の保温
全ての管を接続したら、通水テストをし水漏れがないかを確認します。その際、お湯が出る蛇口をすべて開き、管内のエアと汚れを抜きます。
水漏れは接続した部分から水が漏れてないかを目視で確認し、さらに水道メーターのパイロットが回っていないかで確認しましょう。
井戸ポンプの場合は、蛇口を閉めた状態でポンプが作動しなければOKです。
配管の水漏れがないのを確認したら、冬場に凍結しないよう配管を保温材で巻いて保護します。山間部など、特に凍結の危険が高い地域の場合は、凍結防止ヒーターを併用したほうがいいでしょう。
7.試運転
給湯器のコンセントを差し、リモコンの電源スイッチを入れて試運転します。全てのお湯の蛇口できちんとお湯が出ることを確認しましょう。
追い炊きタイプ、フルオートタイプの場合は、追い炊き機能や自動湯はり機能が使えるかどうかもテストしてみてください。
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