電気の力でお湯を沸かす電気温水器は、便利で環境にも優しいとても優れた給湯器です。
しかし電気温水器も機械である以上トラブルに見舞われることがあります。
もっとも困るトラブルは「お湯が出ない」というもの。毎日の生活に欠かせないだけに、ある日突然お湯が出なくなったらとても困ってしまいます。
電気温水器が壊れてしまった!と慌ててしまうこともあります。
そこでこのページでは電気温水器の「お湯が出ない」トラブルについて、よくある原因と対処法をご紹介します。
電気温水器の故障?お湯が出ない原因と【自分でできる】対処法!
電気温水器のお湯が出ないのは、いろいろな原因があり、中には電気温水器以外に原因がある場合もあり、自分で簡単に解決できるものもあります。
あわてて業者を呼ぶ前にまずは落ち着いて自分で原因を探ってみましょう。
電気温水器の電源が入っていない
まず最初に確認することは「電源が入っているか?」ということです。雷や停電などの影響でブレーカーが落ちてしまう場合があります。本体の電源レバーが上がっているか確認しましょう。
リモコンが付いているタイプならリモコンを操作しても何も反応しないなどの症状で電源が入っていないことが分かります。
そしてもう一つ、電気温水器用のブレーカーが落ちていないかを確認します。電気温水器用の漏電ブレーカーは電気工事のやり方によって、室内の分電盤の中に設けられているか、もしくは外の電気メーターの近くに独立して設けられている場合があります。
電源を入れたら、リモコンの「沸き増しボタン」を押してお湯を沸かしてみましょう。正常に運転するようならしばらく様子を見ましょう。
リモコンのない8時間通電タイプの場合は、深夜時間帯にならないと運転することができません。電源を入れて待つしかありません。翌朝お湯が使えるかどうかを確認しましょう。
電源レバーが上がらない、ブレーカーを上げてもすぐ落ちる場合は、ブレーカーの故障、あるいは電気温水器自体の漏電が考えられますので、取付業者に連絡・相談する必要があります。
お湯切れしている
電源が入っているのにお湯が出ない場合には、電気温水器のタンクにお湯が溜まっていない、「お湯切れ」の状態だと考えられます。
お湯が出るすべての蛇口を確認し、どこからもお湯が出なければ「お湯切れ 」しているということになります。
電気温水器が湯切れしてしまうと蛇口からは水しか出ず、いつまでたってもお湯にならないということになります。
お湯切れの原因は「お湯の使い過ぎ」です。
来客などでお湯の使用量が極端に増えたり、お風呂にお湯を溜めているのを忘れてお湯を出しっぱなしにしたり等、タンクの容量を超えてお湯を使いすぎるとお湯切れを起こして水しか出なくなってしまいます。
お湯切れになった場合は、「沸き増し」ができるものは沸き増ししてタンクにお湯が貯まるのを待ちます。沸き増しできないタイプの電気温水器は翌日までお湯が沸くのを待つしかありません。
電気温水器はタンク容量によって使えるお湯の量が決まっていますので、お湯の使用量には常に気を配り、沸き上げ量の設定に気を付けておく必要があります。
蛇口(水栓)の故障でお湯が出ない
電気温水器でお湯が出ない(水しか出ず温かくならない)場合は、お湯が出ない状態が全てのお湯が出る蛇口(水栓)で起こるのかを確認してください。
もしお湯が出ないのが特定の蛇口だけ(お風呂場だけとか洗面所だけなど)の場合は、原因は電気温水器ではなく蛇口の故障が考えられます。
特にレバー式の蛇口や温度調節機能がついた混合栓の場合は、カートリッジやサーモ部分の故障でお湯にならず水しか出ないということがよくあります。
こういうタイプの蛇口がお湯が出なくなる(お湯にならない)トラブルが起こりやすいです。
蛇口が比較的新しい場合は、カートリッジなどの部品を交換することでお湯が出るようになりますが、10年以上経った古い蛇口の場合は本体ごとの交換になる場合が多いです。
蛇口の交換や修理はご自分でDIYされる方もいらっしゃいますが、不安な方は水道業者に依頼したほうが無難だと思います。
漏水(お湯が漏れている)している
電気温水器は正常(電源が入っている)なのに、お湯がタンクに貯まらない場合は、お湯側の配管が漏水(漏れている)が考えられます。
お湯側の配管からお湯がどんどん漏れていて、お湯を「出しっぱななし」にしているのと同じ状態になっている為、電気温水器にお湯が貯まらないということになります。
お湯が漏れているかどうかを確認するには、水道メーターを確認します。漏水していればどこも水(お湯)を使っていないのに、水道メーターのパイロット(銀色の部分)が回転しています。
さらに、電気温水器の給水バルブを閉めると水道メーターの回転が止まるようなら、お湯側の配管が漏水していることになります。
お湯側配管からの漏水の場合、電気温水器は正常なので、どんどんお湯を作ろうとして電気を消費して電気代が無駄にかかってしまいます。加えて漏れている分の水道代も余計に掛かってしまいますので、漏水の程度にかかわらず早めに取付業者、または水道業者へ修理を依頼しましょう。
電気温水器にエラーが表示されている
リモコンのある電気温水器の場合は、表示部分にエラー表示が出る場合があります。そうなると電気温水器自体の故障の可能性があるのですが、エラー表示の中には一時的に出てリセット操作をすると消えるものもあります。
エラーが表示された場合は、取扱説明書等でエラーの内容を確認してみてください。中にはリセット操作のみで解除できるものもあります。
一般的なリセットの方法は、本体の電源ボタンを一度OFFにし、5分程度置いた後に再度スイッチを入れると復旧します。(※リセットの方法はメーカーにより若干違う場合があるので取扱説明書やメーカーサイトで確認することをおススメします。)
リセット操作をして復旧した場合は、しばらく様子を見てもいいでしょう。しかし、リセットをしてもエラー表示が解除されない場合や、すぐにまたエラーが表示される場合は、取付業者やメーカーに早めに問い合わせましょう。
電気温水器でお湯も水も出ない場合は?
蛇口のお湯をひねっても、お湯も水も出ないという場合があります。その場合には次のような原因が考えられます。
電気温水器に給水されていない
電気温水器はタンクに給水することでその圧力を利用してお湯を送り出しています。もし蛇口をひねってもお湯も水も出ない場合には電気温水器に給水されているかどうかを確認してみてください。
電気温水器に給水されない原因としては、
1.電気温水器の給水バルブが閉まっている
2.水道メーターのバルブが閉まっている
3.井戸ポンプの電源コンセントが抜けている、ポンプが故障している
4.給水口のストレーナーが詰まって給水されていない
5.凍結している
などが考えられます。
1の場合は給水バルブを開ければお湯が出るようになります。
2と3については水の方も全く出なくなるので簡単に分かると思います。
3の場合、電源コンセントを入れても水が出ない時は、ポンプに「呼び水」をする必要があります。呼び水をしても水が出ない場合はポンプの故障の可能性もあります。
4の場合は井戸ポンプの場合に多いトラブルです。給水する水に砂やゴミが混ざっていてストレーナーが詰まり、給水できなくなります。この場合は給水バルブを一度締めてストレーナーを外し、ブラシなどで掃除をすれば解消されます。
5は冬場に起こるトラブルです。特に寒さが厳しい1月~2月頃に多く、比較的温暖な地域でも起こりえます。
電気温水器の凍結した時の対処法や予防法についてはこちらの記事でご紹介していますので併せてお読みください。
⇒給湯器の凍結防止法!今すぐできる方法と、凍結した後の対処法!
まとめ
今回は電気温水器のお湯が出ないトラブルについて、よくある原因と対処法についてご紹介しました。
電気温水器でお湯が出ない場合、原因はいろいろあり中には電気温水器が原因でない場合もあることが分かっていただけたのではないでしょうか。
あわてて業者に連絡してしまうと、たいしたことない原因で出張料だけ支払うといったことにもなりかねません。
まずは落ち着いて原因を探ってみてください。