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エコキュートの寿命は?故障したら修理と買い替えどちらがお得?

環境に優しく電気代も節約できるエコキュートは近年急速に普及が進んでいる給湯器ですが、発売初期に導入されたエコキュートはそろそろ寿命を迎えるものも出てきています。

今お使いのエコキュートの調子が悪く、修理すべきか新しく買い替えるべきか判断に迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

エコキュートも機械ですから、長く使っていると故障することも当然あります。故障の内容によっては修理をするよりも新しいエコキュートに買い替えたほうがいい場合もあります。

 

このページではエコキュートの一般的な寿命や、故障の際によくある症状とその対処法について解説しています。

 

エコキュートのよくある故障の原因とその対処法を知っていれば、今お使いのエコキュートが「もう寿命なのか?修理したほうがいいのか?」を判断する目安にすることができます。

 

エコキュートの寿命何年?どのくらい使えるのか?

エコキュートは省エネで環境にも優しい優秀な給湯器ですが、他の給湯器(石油給湯器やガス給湯器、電気温水器など)と比べると価格が高価なので、寿命が何年くらいでどのくらいの期間使えるのかが気になるところです。

エコキュートの本体は、「ヒートポンプユニット(室外機)」と「貯湯タンク」の2つの機器で構成されています。

ヒートポンプは空気中の熱を取り込んでお湯を沸かす役割があり、貯湯タンクは沸かしたお湯を貯めて置き、必要に応じて給湯する役割を果たしています。

 

ヒートポンプユニット(室外機)の寿命は?

 

「ヒートポンプユニット(室外機)」の寿命は一般的に5年~10年程度と言われており、長く使い続けると基盤などの電子回路や、コンプレッサー、熱交換器などに不具合が出やすいと言われています。

 

貯湯タンクに比べると構造が複雑で、故障した場合の修理金額が高額になりやすく、ヒートポンプ全体の交換になった場合は10万円越えの費用が掛かる場合があります。

 

貯湯タンクの寿命は?

 

「貯湯タンク」はヒートポンプユニットに比べると寿命が若干長く、だいたい10~15年程度が目安と言われています。

エキュートと同じように沸かしたお湯を貯めておく構造の「電気温水器」は寿命が20年近く持つ(実際に使えているという実例もある)といわれていますが、エコキュートの貯湯タンクは電気温水器に比べて内部の構造が複雑なため、電気温水器よりは寿命が若干短いというのが一般的な見解です。

 

エコキュート全体の寿命は?

 

しかしながら、エコキュートの「寿命」については、上記のように大体の年数の目安は示されているものの、実際にその年数使えるのかは正直なところ未知数の部分があります。

 

その理由は、エコキュートは初めて製品化されたのは2001年とまだ歴史が浅く、「実際に何年もった(使えた)のか」のデータがまだ圧倒的に少ないというのが現状だからです。

 

得に発売初期のエコキュートに関しては、使われている部品の材質や技術的な面で現在販売されている最新のエコキュートに比べるとどうしても劣る部分が多く、「10年を待たずに故障する」ケースも多く見られます。

 

しかしながら、追い炊き配管の掃除や、貯湯タンクの水抜きなどのメンテナンスを定期的に行うことで、当初言われている寿命の目安に近い年数は使えることが多く、日頃のお手入をこまめに行うことが重要だと言えます。

 

エコキュートの寿命が短くなる原因は?

 

エコキュートの寿命が短くなってしまう原因には様々なものが考えられます。例えば、使用する水の水質はエコキュートの寿命に影響する大きな要因の一つです。

 

地下水や温泉水などは、エコキュートの配管や部品類に悪影響を与える成分が含まれている場合があり、水道水の使用を前提とした通常タイプのエコキュートを使用すると、短期間で故障してしまう場合があります。

 

地下水や温泉水でエコキュートを使用する場合には、一部のメーカーが発売している「井戸水対応エコキュート」使用する必要があります。その場合でも事前に水質検査を行い、エコキュートの使用が可能かどうかの確認をしなければなりません。

 

また、フルオートタイプのエコキュートならば、メーカーが推奨していない入浴剤を使用することがエコキュートの寿命を縮める原因になる恐れがあります。

 

エコキュートの設置環境もエコキュートの寿命を左右する原因の一つです。湿気、ホコリが多い場所やヒートポンプユニットの前後に十分なスペースがない場所などは機器の設置には不向きです。

 

潮風の当たる海の近くには「塩害地仕様のエコキュート」、寒冷地では、「寒冷地使用のエコキュート」と、その環境に適した専用のエコキュートを使用することが重要になります。

 

修理?買い替え?エコキュートのよくある故障の症状とは?

 

エコキュートの故障には買い替えが必要な重大な故障もあれば、簡単な修理やリセット操作で改善するような軽微なものもあって様々です。

ここからはエコキュートのよくある故障の症状と対処法についてご紹介しますので、以下の様な症状が出る場合には、慌てて修理業者を呼ばずに、まずはユーザ側でできる項目をチェックしてみましょう。

 

修理業者の中には故障の内容にかかわらず、すぐにエコキュートの買い替えを進める悪徳な業者もいます。

 

エコキュートの故障にはどんな症状があるのかをあらかじめ知っておくことで、「修理か買い替えか」を判断する事ができる場合もあるので知っておいて損はないでしょう。

 

よくあるエコキュートの故障の症状と対処法

 

お湯が出ない、水しか出ない

 

蛇口のお湯側を開いてもお湯が出ず、水しか出ないという症状の場合には、単純にお湯を使い切って「湯切れ」している可能性が考えられます。

 

リモコンの残湯量を確認して、お湯が無いようであれば「沸き増し」ボタンを押してお湯の沸き上げを行ってみましょう。

 

浴室のシャワーだけお湯にならないというように特定の蛇口のみお湯が出ないという時は、エコキュートの故障ではなく、蛇口の温度調節機能の故障が考えらえます。その場合には蛇口の修理または交換が必要です。

 

エコキュートの残湯量があり、リモコンの給湯温度も適正に設定されているにも関わらず、全ての蛇口からお湯が出ない(お湯にならない)という場合は、エコキュートの温度調節機能(混合弁や温度検知器、基盤等)の故障が考えらます。一旦リセット操作をしてみて、それでも症状が改善しない場合は業者に修理を依頼する必要があります。

 

お湯も水も出ない

 

蛇口からお湯も水も出ないという場合には、まずはエコキュートの給水配管用止水栓が閉じていないか確認しましょう。

 

また、お住いの地域で断水が行われていたり、冬場に配管が凍結していたりという可能性も考えらえます。

 

どちらの場合も断水や凍結が解消されるのを待つしかありません。

 

湯はりができない(フルオート・セミオートタイプ)

 

フルオートやセミオートタイプのエコキュートで、浴槽にお湯張りができない(お湯がたまらない)という場合には、浴槽アダプター(循環口)が湯アカなどの汚れで詰まっている可能性があります。

 

取扱説明書に従い、循環アダプターのお手入れをしてみてください。

 

またお湯はり動作もエコキュートが湯切れしていたり、給水栓が閉まっていたり、断水や凍結などでエコキュートへの給水が止まっていれば行うことができません。

 

湯張りが止まらず、浴槽からあふれる

 

お湯張りが設定した水位で止まらず、浴槽からお湯があふれる場合には、まずはリモコンの水位の設定ミスがないかどうかを確認しましょう。

 

また、浴槽に昨日のお風呂の残り湯がある状態でお湯張りをすると、設定した水位でお湯張りが止まらない場合があります。

 

残り湯を排水し、浴槽が空の状態から再度お湯張りを試してみてください。

 

この他にお湯はりが止まらない原因として多いのが、循環アダプター(循環口)に汚れが詰まっているケースです。

 

リモコンの水位設定が正常で、循環アダプターを掃除しても正しい水位でお湯張りが止まらない場合は、エコキュートの水位センサーの故障の可能性があります。

 

エラーコードが表示される

 

エコキュートが故障すると、リモコンにエラーコードが表示される場合があります。

 

エラーコードの内容は、メーカーによって異なりますので、まずはお手持ちの取扱説明書やメーカーのホームページ等によく表示されるエラーコードの内容と対処法が記載されているので確認してみましょう。

 

エラーの中には、根本的な故障ではなく偶発的な不具合でも表示され、リセット操作だけで解決できるものもあります。

 

しかし取扱説明書に沿った操作をしても解決しない場合には、メーカーや修理業者に点検修理を依頼したり、エコキュート本体の交換をする必要がある場合もあります。

 

エコキュートからの水漏れ

 

貯湯タンクやヒートポンプの周辺が濡れている場合、エコキュートの故障が疑われますが、次のような場合は故障ではありません。

 

貯湯タンクの膨張水

 

エコキュートが沸き上げを行い、貯湯タンク内の水がお湯に変わるとタンク内の水の体積が増えます。

 

体積が増えた分の水は膨張水として逃し弁を通ってがタンクの外に排水される構造になっているのですが、排水配管のやり方によってはタンクの周辺が水が漏れてエコキュートが水漏れしているように見えることがあります。

 

ヒートポンプユニットの結露水

 

ヒートポンプユニットがお湯を沸かす際には、熱交換器が低温になり外気との温度差で一時的に結露が発生し、水滴が垂れてヒートポンプの下が濡れることがあります。

 

また、結露水はヒートポンプユニット底部のドレンホースから排水されるようになっているのですが、ドレンホースがホコリ等で詰まって排水されず、ヒートポンプの底から溢れて周囲が水でぬれる場合もあります。

 

このような現象はエコキュート本体の故障ではありませんので、ドレンホースの詰まりを掃除するなどして水漏れがおさまるかどうか確認しましょう。

 

しかし、次のような場合にはエコキュート本体や配管などの水漏れの恐れがありますので、早急に点検・修理を依頼する必要があります。

 

・水を使用していないのに水道メーターが回り続けている。

エコキュートの水漏れ、あるいはその他の水栓や配管からの水漏れの恐れがあります。

・沸き上げをしていないのに排水から水が出続けている

エコキュート内部の部品(減圧弁・安全弁など)の故障や、混合水栓の逆流の可能性があります。

・沸き上げはしているのにお湯のメモリが増えない

給湯配管(お湯の配管)からの水漏れの可能性が考えられます。

 

エコキュート内部の配管類やパッキン類が劣化している場合には該当する部品の交換で水漏れは解消しますが、貯湯タンクにひびが入っているような場合には、修理が難しく本体ごとの交換が必要になるかもしれません。

 

また、エコキュートの周辺に目に見える水漏れの形跡が無くても、地中に埋まっている配管や建物内部の配管が劣化して水漏れしている可能性があります。

 

水道代の検針時に水漏れを指摘されたり、電気代や水道代が急に上がった時などは、速やかに水道関係のトラブルに対応できる業者へ連絡し、確認してもらいましょう。

 

エコキュートの修理にはどのくらいの費用が掛かる?

 

エコキュートの修理や交換にかかる費用は、故障の程度や故障個所によって変わってきますが、大まかな相場をご紹介すると次のようになります。

 

・エコキュートの部品交換・補修 約1~5万円程度

・ヒートポンプユニット単体の交換 約15~20万円程度

・エコキュート全体の交換 約40~70万円(エコキュートのタイプによる)

 

劣化した配管やパッキン類の交換や、不具合を起こした減圧弁・安全弁、混合弁などの交換、基盤等の電子部品の交換など、部分的な修理や交換には約1~5万円かかります。

 

部品自体の値段はそれほど高くない場合でも、交換に要する技術料や、修理に来てもらう際の出張費などが別途かかるため、最終的な修理金額はどうしても高くなってしまいます。

 

また、お湯が出ない、エラー表示が消えないといった場合は、ヒートポンプユニットの修理や交換となるケースが多く、修理費用が高額になりがちです。

 

エコキュートの年式が古く、修理に必要な部品の供給が終了している場合にはエコキュート全体を新しいものに交換するしかない場合もあります。

 

修理よりも買い替えたほうがいいエコキュートの故障とは?

 

先述した通り、エコキュートの一般的な寿命は「約10年~15年程度」です。従ってエコキュートの寿命が近くなってからの故障は、買い替えのサインといえます。

 

エコキュートの寿命が近くなると、一度修理した箇所が再度故障したり、短期間で別の箇所が故障したりと、故障が頻発する傾向があり、修理費用がかさんでしまう場合が多いです。

 

また、エコキュートの修理に必要な部品(補修用性能部品といいます)の保有期間はその機種の製造終了から10年間です。

 

設置から10年以上経った古いエコキュートの場合、部品が無くて修理ができない場合もありますし、今回は運よく修理できたとしても、短期間ですぐにまた故障してその時には修理不可・・・というケースもあり、そうなると前回掛かった修理費用が無駄になってしまいます。

 

従って次のような場合には修理するよりも新しいエコキュートに買い替えることを検討しましょう。

 

・寿命の目安である10年を超えてからの故障。

・修理費用が10万円を超える場合

・修理しても、またエラーが出る場合。

 

お使いのエコキュートが、上記3つの状態に当てはまるようであれば修理しても長く使えないことが多く、買い替えのサインです。迷わずに買い替えをおススメします。

 

エコキュートの故障の内容にもよりますが、ヒートポンプユニットそのものの交換などが必要な場合には10万円を超える費用が掛かる場合があります。修理するよりも買い替えたほうが、より良いケースと言えます。

 

また、エコキュートを修理しても短期間でまた同じエラーが出る場合などは、エコキュートの寿命が近いと考えるべきで、これ以上は修理するよりも買い替えがベストです。

 

そして、エコキュートの寿命の目安である10年を超えた製品が故障した場合も、それが最初の故障であっても買い替えのタイミングと考えるべきでしょう。

 

エコキュートの交換工事の費用相場は?

 

一般的にエコキュートを新規に取り付ける場合に掛かる費用は、貯湯タンクのサイズや給湯専用・フルオートなどの機能などにもよりますが、工事費を含めて約40~70万円程度です。

 

それに対して、エコキュートからエコキュートへの交換工事の場合は、電気工事が簡略化できたり既存の配管を多く使用できるので新規取付に比べると安く交換できるケースが多く、平均で約30万円~50万円代で済む例が多く見られます。

 

ただし、エコキュートの交換の工事には別途費用がかかるケースもあることを理解しておきましょう。

 

例えば、給湯専用タイプからフルオートタイプへの買い替えだと、ふろ配管を新たに増やす必要があり、その分工事費がプラスされることもあります。

 

また、エコキュートの貯湯タンクはガス給湯器など他の給湯器に比べて大型で処分に手間が掛かるため、既存のエコキュートの撤去費用を追加請求される場合もあります。

 

エコキュートの交換工事を依頼される場合は、事前に現在の設置状況を業者に確認してもらい、実際に費用がいくら掛かるのかを事前に見積もりしてもらいましょう。

 

エコキュートからエコキュートへの交換工事の内容についてはこちらのページでも詳しくご紹介していますので是非参考にしてみてください。

 

まとめ

 

ご紹介したように、エコキュートの寿命は一般的には10年から15年程度といわれていますが、この寿命はエコキュートの使い方や設置されている環境によって長くもなれば短くもなります。

 

日頃からメンテナンスを行い、正しい使い方をするよう注意をすることで、寿命を延ばすことは可能といえます。

 

とはいえ、設置から10年以上経過したエコキュートはメーカーの修理部品の保有期間が終了していて部品の在庫がない可能性が高くなります。

 

また、古くなったエコキュートは一箇所修理をするとまた別の箇所が故障するというように次々と不調な箇所が出てくる恐れがあります。

 

不調の度に業者に修理を依頼すると、部品代だけでなく出張費などもかさみますので思い切って新しく買い替えた方が、将来的にも安心して使えますし、費用的にもかえって安く済む場合もあるでしょう。

 

毎日のお風呂や洗面、炊事などエコキュートのお湯は生活に欠かせない存在で一日でも使えないととても不便です。

 

エコキュートを使い始めてから10年以上経過しているなら、故障で使えなくなる前にそろそろ買い替えを想定した検討を始めておくことをおススメします。

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